だってカワイイが好きなのだ
アートディレクター兼デザイナーのTさん(40代、独身)は、カワイイものが大好きなおじさん。
つい先日までおかっぱだった変な人。
この間、髪の毛をばっさり切ったら意外と普通になっちゃった。
彼がデザインを行う上で目指しているのは「ポップでキュート」らしい。
確かに、マーケティング的に考えると、世の中には女性をターゲットにしたものが多い。
当然、デザインも女性ウケするものを作ることになる。
そういう意味では、デザイナーとして正しい姿勢なのかもしれない。
世の中のカワイイものは、意外とおじさんが作ったものが多いこともある。
むしろ女性がデザインしたものに男性的なセンスを感じることもある。
そういう時代かもしれない。
Tさんは「デザインでポップでキュートを追求して、体現しようとしてたらこうなった」と言う。
でも、体現する必要はなかったと思うんだけど……。
いや、それ以前にカワイイものとか好きだよね?
洋服もやたらシルエットとか気にするし、ランチの写真撮ってキャッキャとSNSにアップするし、明らかに生活も侵食されちゃってるよね?
「だってカワイイものが好きなんだよ」って。
彼は「まだ突き抜けてない」と言うけど、今のままで十分な気がする。
でも、「突き抜けちゃったら」どこか違うレベルに行っちゃいそうだな、なんて思ったりする。
それはそれで面白そうだけど。